生態系を破壊する外来動物
ため池の生態系を破壊する外来動物として現在最も問題となっているのが、ブラックバス(オオクチバス)とブルーギルです。ブラックバスが県内に持ち込まれたのは1965年頃で、ルアーフィッシングの流行とともに無秩序な放流が繰り返され、瞬く間に県内各地に分布を広げました。
この魚は肉食性の大型魚で、魚やエビなどを次々と捕食します。繁殖力も強いため、一度放流されると、池の中の小魚やエビ類を食べ尽くしてしまいます。
ブルーギルもルアー釣りの流行とともに分布を広げています。小魚、エビ、水生昆虫、魚卵の他、水草なども食べる雑食性の魚で、その食性の広さからブラックバスよりもたちが悪いとも言われています。エサとなる小動物の不足でブラックバスが衰退している池でも、ブルーギルはしぶとく成長・繁殖します。
ウシガエルは、大正時代に食用にする目的で北アメリカから移入されました。各地で養殖が試みられましたが、長くは続かず、逃げ出したものが各地に広がりました。大きな口で、在来のカエル、水生昆虫、魚などを丸呑みにします。
アメリカザリガニは、ウシガエル養殖用のエサとして、北アメリカから移入されました。その後、ペットとして飼育されていたものが捨てられたりして野生化しました。ため池の他の動物にも影響がありますが、水草を食べるなど植物相にも被害を与えています。
ミシシッピアカミミガメは、ミドリガメと称して毎年100万匹以上が輸入されています。飼われていたものが逃げ出したり捨てられたりして、次々と野生化しています。クサガメなどより生活力が旺盛なため、在来種の生活圏が脅かされています。この他、メダカを駆逐するカダヤシや水草に食害があるヌートリアなども、ため池の生態系に大きな影響を与えています。