生態系を破壊する外来植物
現在(R5)、ため池や水路、河川に「ナガエツルノゲイトウ」という特定外来生物の水草が東播磨管内で爆発的に繁殖しています。
非常に繁殖力が強く、葉や根の断片から再生する厄介な水草です。繁殖すると、水路やため池の出口に詰まり水が流れなくなり、また田んぼに侵入し、お米の収穫量減少や品質低下といった悪影響を周囲に及ぼします。
ただ、安易な防除作業や持ち出しはせず見かけたら、見つけた地域の自治体へ通報してください。
外国から持ち込まれた生物が日本各地に侵入・定着し、長い歴史の中で築きあげられてきた我が国固有の生態系を破壊しています。秋になると道端や空き地などに群生して黄色い花を咲かせるセイタカアワダチソウがその一例です。ため池においても富栄養化の進んだ平野部の池を中心に外来種のホテイアオイ、ボタンウキクサ、コカナダモ、オオカナダモ、フサジュンサイなどの水草が見られます。
これらの植物は、水質汚濁に強く、繁殖力が旺盛なために、在来の水草を駆逐してしまうことが大きな問題です。また、池を覆い尽くしたホテイアオイなどの外来種が冬に枯れると美観を損ねるなど、苦情の原因となることもあります。
水中に繁茂するコカナダモやオオカナダモはため池から河川にまで広く分布しています。日本産の沈水植物の多くが減少傾向にあり、これらの外来種の侵入による影響は無視できません。
アクアリウムのブームにより、近年新たにたくさんの種類の水草が観賞用に輸入・販売されるようになりました。そのような水草がため池に逸出した例も見られます。
外来生物の飼育・販売に注意!
外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)により、特定外来生物に指定された生物は、飼育・栽培・保管・運搬・販売・輸入・野外に放つことなどが原則禁止されています。
ため池に関係する特定外来生物
動 物 |
ミシシッピアカミミガメ、ヌートリア、ウシガエル、カダヤシ、 ブルーギル、オオクチバス |
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植 物 |
ナガエツルノゲイトウ、オオカワヂシャ、アレチウリ、オオフサモ、 ボタンウキクサ、アゾラ クリスタータ |
詳しくは外来生物ホームページをご覧下さい。