絶滅が危惧される生き物
かつては水辺で普通に見られたメダカのような生きものが、急速に私たちのまわりから姿を消しつつあります。それは、ここ20~30年の間の出来事です。水辺は多くの絶滅危惧種が集中する場所ですが、ため池も例外ではありません。ため池は身近な存在で、これまでそこに暮らす生きものたちには、あまり関心が向けられていませんでした。しかし、身近なため池の生きものたちにも絶滅の危機が迫っていることに、私たちは留意しなくてはなりません。
ため池の生物が絶滅へと追いやられる主な原因
- 池の埋立てや改修工事による生息・生育環境の消失と悪化
- 水質汚濁の進行や農薬の影響による生息・生育環境の悪化
- 外来種の侵入や人為的な放流・移植による生態系の破壊
- 一部のマニアや業者による乱獲や盗掘
県内で絶滅が危惧されるため池の生き物(兵庫県版レッドデータブックH25.8月現在)
区分 | ランク | 種名 |
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水草 | A | ヒメビシ、ヒメシロアサザ、ヒシモドキ、フサタヌキモ、ミカワタヌキモ(イトタヌキモ)、タヌキモ、ホソバヘラオモダカ、コバノヒルムシロ、オヒルムシロ、オオミクリ、ミスミイ、ヒメカンガレイ、サンショウモ、トチカガミ、コウホネ |
B | ミズニラモドキ、オニバス、フサモ、ヒメタヌキモ、マルバオモダカ、ヤマトミクリ、ヒメミクリ、シログワイ、ネビキグサ(アンペライ)、オグラコウホネ、アサザ、マルミスブタ、シズイ、オグラノフサモ、イトモ、サガミトリゲモ | |
C | ミズニラ、サイコク、ヒメコウホネ、ヤナギスブタ、ミズオオバコ、ナガエミクリ、フトイ、アギナシ、スブタ、イトトリゲモ、ミクリ | |
湿地植物 | A | ナガボノワレモコウ、ヒメナエ |
B | アイナエ、ムラサキセンブリ、ミズトラノオ、ゴマクサ、カガシラ、ミカワシンジュガヤ、ヤナギヌカボ、マツカサススキ | |
C | ヌカボタデ、ニオイタデ、ハンゲショウ、イシモチソウ、コモウセンゴケ、ヒナノカンザシ、ゴキヅル、イヌセンブリ、ムラサキミミカキグサ、カセンソウ、ユウスゲ、ノハナショウブ、ミカヅキグサ、ケシンジュガヤ(マネキシンジュガヤ)、カキラン、ミズトンボ、コバノトンボソウ、トキソウ、タコノアシ、オギノツメ | |
堤体植物 | A | マツムシソウ |
B | アゼオトギリ、ウンヌケ、スズメノコビエ | |
C | タカトウダイ、コカモメヅル、ウンヌケモドキ、キンラン、ヤマサギソウ、ヤマトキソウ、クサボケ | |
貝類 | A | カワネジガイ、トンガリササノハガイ、カタハガイ |
トンボ | A | ベニイトトンボ、ベッコウトンボ、マダラナニワトンボ |
B | コバネアオイトトンボ、オオキトンボ | |
C | オオイトトンボ、コサナエ、ルリボシヤンマ、ネアカヨシヤンマ、ハッチョウトンボ、ナニワトンボ | |
注 | ムスジイトトンボ、アオヤンマ | |
地 | ヨツボシトンボ(淡路C) | |
その他の 水生昆虫 |
A | ヒメタイコウチ、コバンムシ、ゲンゴロウ、マルガタゲンゴロウ |
B | カツラネクイハムシ | |
C | ホッケミズムシ、オオミズムシ、ナガミズムシ、キンイロネクイハムシ | |
注 | エサキアメンボ、コオイムシ | |
地 | オオアメンボ(淡路C)、タガメ(淡路A、淡路以外B) | |
調 | ムツボシツヤコツブゲンゴロウ、セラネクイハムシ | |
魚類 | A | シロヒレタビラ、カワバタモロコ |
B | イチモンジタナゴ、ドジョウ | |
注 | メダカ | |
両生類 | B | カスミサンショウウオ |
C | ニホンアカガエル、ツチガエル | |
注 | イモリ | |
鳥類 | A | ヨシゴイ |
B | ヒクイナ、オジロトウネン、エリマキシギ、コアオアシシギ、ソリハシシギ、オグロシギ、タシギ、チュウジシギ、オオジシギ、セイタカシギ、ツバメチドリ、カワセミ、オオヨシキリ、オシドリ、コアジサシ | |
C | ササゴイ、チュウサギ、クイナ、オバシギ、イソシギ、マガン、コハクチョウ |